バイエル教本!

久しぶりにランチをしたお友達から、幼稚園に通うお嬢さんがピアノを始めるということで、話題になったので、ちょっと裏情報・・・・ピアノ教室に通った40代以上の方なら、大抵“バイエル”という教本を覚えている方が大半だと思います。
私も習い始めの頃に使った本ですが、実は世界ではあまり知られていない本なんです。実際使っていて、突然“ヘ音記号”が出てきたり、“16分音符”の連続が飛び込んできたり、なんだかわからない状態で弾いた覚えがあります。教えだした頃もこのバイエルが主流だったので、手こずった覚えがありました。最近は教本も増え、生徒さんに合わせて教材を選べるようになったので楽になりました。
この“バイエル”という教本が日本で普及した理由は、200年ほど前、最初に日本にやってきたピアノの上に乗ってきたという話です。今のように情報が流通していない時代、ピアノと一緒にやってきた楽譜であれば、唯一の教材となったはず、みなで必死に習得するために広まったのも無理もないこと。以前ウイーンの由緒ある有名な楽譜屋さん“ドブリンガー”に行ったとき、棚をずっと見ていたのですが、BEYER(バイエル)という字さえ見つからなかったのを覚えています。たぶん聞けば、奥のほうから持ってきてくれたかもしれませんが、メジャーでないことは一目瞭然でした。
昔なら、楽器店の教材売り場で大量に置かれていたバイエルも、最近ではだいぶ端に追いやられているのを見ると、ちょっと寂しい気もしますが、子供のためのカラフルな楽譜が多く並び、その横には大人のためのピアノ入門がだいぶ増えてきたことは、ピアノが身近な楽器になってきたことでもありますね。
バイエルのよさも付け足しておきますが、載っている曲のほとんどが、右手がメロディー左手が伴奏のパターン、幼稚園、保育園などの先生になる方なら、子供たちに歌わせる伴奏の練習としては良いかもしれませんね。ついでにコードが付いていれば、和音の練習も兼ねれば応用も利いてくると思いますが、残念ながら、そこまでは編集されていないようです。

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